御神徳・ご利益について

御神徳をあらわす玉

当社の御祭神である宇迦之御魂大神(ウカノミタマノオオカミ)の神様は五穀豊穣を司ることから、商売繁昌や家内安全に御神徳・ご利益があり、「実が成る」ということから成就につながり諸願成就の御神徳・ご利益もあると信仰されております。また意外なことに思われるかもしれませんが、縁結び・良縁成就の御神徳・ご利益があると信仰もされております。

 

なぜ縁結び・良縁成就の御神徳・ご利益があるかと申しますと、その説明は少々長くなります。

 

稲荷信仰の歴史は古く1300年以上の歴史を持ちます。それゆえ平安時代の『蜻蛉日記』『更級日記』『大鏡』などの随筆や歴史書などにも稲荷信仰の記述があり、当時の平安貴族たちも願掛けに稲荷参詣を行っていたことがうかがえます。

たとえば清少納言も稲荷山(伏見稲荷大社)に参拝をしており、『枕草子』にもその記述があります。

 

また当時の稲荷参詣は平安貴族にとって数少ない男女の出会いの場ともなっていたために縁結びの場になっていたと考えられます。

 

そのため稲荷参詣の道中において男女の出会いが日本の古典文学で多く語られています。これら稲荷参詣における男女の出会いは、多くは女性が縁結びの強い願いを持って参詣していたことと関係しているとも言われております。

 

その意味で、鳥羽市にある石神さんのように女性の願いを叶えてくださる神様であるともいえるのかもしれません。

 

今日では稲荷さんというと商売繁盛や仕事運といったお金や仕事にまつわる神様のイメージが強いですが、日本の文化を生み出した平安のいにしえには縁結び・良縁成就を叶えてくださる神様としても崇敬を集めていたということを、ゆめゆめ忘れることなきようにと思います。